TRPG 短話集

TRPGでのシチュエーション(主にダンジョン)を色々書いてます。

黒板消し

黒板消し

黒板消しって、ご存知ですか?

学校の教卓の前に黒板というチョークで書くためのボードがありましてね。

先生方は、チョークで黒板に、板書していくんですよ。

で、そのチョークを消すための道具が黒板消し。

え? そんなもの知ってるって?

最近の学校は、ホワイトボードに書くらしいから、つい書いてみた。

で、その黒板消しを、教室の入口の扉に落ちないようにセットしておくと、扉を開けた間抜けな先生の頭にクリティカルヒットするという伝統的ないたずらがあるんですね。

しかも、黒板消しのチョークで服が真っ白になるだろうけれど、黒板消しのチョークがついているところは、柔らかいし、軽いから当たっても物理的ダメージはほぼない。

その後は、知らんけど・・・。

 

前置きが長くなったが、現在、扉にそんなトラップを仕掛けてるんだ。

こんばんは。ゴブリンです。

もちろん、仕掛けているのは、黒板消しではなく、レンガなんだけどね。

扉を勢いよくあけるとレンガが、ガンと当たるという。

ま、当たらなくてもいいのさ。

レンガが落ちれば。

実は、レンガには、ヒモが結んであってだね。

その、ヒモの先には、死神が持つような鎌がセットしてあるのさ。

で、テコの原理で、勢いよく、その刃先が君の喉元へ・・・・。

ま、当たらないだろうけれどね。

こんな、誰も来ないような部屋をあさりに来るような輩だ。

こんな単純な罠付きの部屋に、何かあるなんて期待しないでほしいがな。

 

そうだな。何もないのも、あれだな。

テーブルにタロットカードでも1組置いておくか。

意味ありげに並べておいてやろう。

謎解きが好きな連中なら、勝手に邪推してくれる。

 

低い天井の部屋

低い天井の部屋

 

この部屋の天井は、5フィートくらいしかない。

部屋の中は、湿気ってて、じめじめしてる。

目立つのは謎の雑草が4フィートくらいの高さでうっそうとした様子で生えている。

ここだけ、まるでジャングルだ。

ひょっとしたら、この中は、緑の迷路みたいになっているのかもしれない。

 

小柄なゴブリンやハーフリングでも、高さが低いなと感じるだろうが、行動にマイナス修正をくらうことはないだろう。

ドワーフもまぁ、なんとか大丈夫だろう。

でも、ニンゲンや、エルフには、ちと、狭いようだ。

かがまないと、歩けない。

このフロアを走るのは、体を折り曲げないと無理だろう。

 

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おれ、ゴブリン。あたまは悪いほうだ。

ニンゲンどもよ無理に探索することはない。

迂回したまえ。

どうしても、来るというなら、この中を無事に通る方法を見つかるまではやめた方がいい。

この雑草だらけの中には、さまざまな罠が設置してある。

・毒沼(触れると毒ダメージ、なお、ガラス瓶などで保存して持ち出しても、しばらくすると毒の効果はなくなる)

・アンデット(地縛霊のように行動範囲が制限されているアンデットモンスター)

・即死トラップ(堕ちたら串刺しのような落とし穴、猛毒の矢、のぞき込むとギロチンが作動する横穴)

・生命力を吸収する壺(持ち運べるだろうが、周囲のプレイヤーの生命力は吸われ続ける)

 

俺らにとって運が悪いと、この部屋に隠されている通路が見つけられるかもしれない。

通路のこの先は、この先のずっと遠くにあるゴブリンの隠れ里に続いている道の一つなのだ。

だが、こちらとしては、無理に事を構えて、この先に何かがあると気づかせたくはない。

里にニンゲンを呼び寄せるようなリスクを負う必要はないのだ。

なので、里へ続く道の途中にある跳ね橋を上げておくだけだ。

通路の途中の鋼鉄製の跳ね橋は、巻き上げたうえで、人が通れそうな隙間もなく完全に閉じ、閂をかけて、人気もない。

見張りが息をひそめて、ノゾキ穴から様子を伺っているだけだ。

物理的に破壊するには、超人的な力が必要だろう。

ニンゲンどもも、渡る手段がなければあきらめるだろう。

 

もし、来たら?

その時は、この跳ね橋が壊されると、周囲が落盤により崩落する。

この跳ね橋の構造物は、この通路を支えていたのだ。

隠れ里に続く道は塞がれるだろう。

また、運よく落盤から助かったとしても、安心はさせない。

ここに配置された精鋭のゴブリン30~50が全力で迎え撃つだろう。

 

転移門の機能がある通路

転移門の機能がある通路

 

この通路は、長さが30フィートほど。それほど長くはない。

天井がぼんやりと光っている。光り苔でもいるのかもしれない。

途中の壁に、ガーゴイルを模した石の像がある。

 

 

この通路は、魔法のかかった通路だ。

ちょっと離れたところへ飛ばされてしまう。

マッピングしているプレイヤーがいるなら、時には、いままでの地図に重なることで、気づく場合もあるだろう。

もしくは、そこから地上に出たときに、とんでもない場所に出たことで気づくかもしれない。

 

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キャンペーンなら、片道通行にしておけば、強引に話をすすめることができるだろう。

ホームタウンへ戻るための旅。

遠方への目的地への移動にかかる時間を短縮するなどだ。

 

隠れ里

隠れ里

 

ここは、人里から、だいぶんと離れた森の中に、わずかな農地を切り開いた小さな村だ。

水源となる湧き水があふれる泉と、そこから、だいぶ先にある小さな川に繋がる用水路のような水の流れがある水場がある。

それらは、村の領域からしばらく離れると、水の流れは、地下に潜ってしまう。

そのため、川に沿って歩いても、この村にたどり着くことはできない。

だが、この水源の水が、村の農地を潤している。

農地は、手入れされた畑だ。

果樹園もある。

食料は自給自足できそうだが、布や金物などは、町へ出かけないと手に入らない。

この村では、行き倒れの冒険者から、「いたしかたなく」頂戴することもあるようだ。

 

この村の住人は、全員ライカンスロープだ。

人を恐れ、ここへ移り住んだ。

それゆえ、よそ者を近づけたくない。

すぐにでも、追い出そうとするだろう。

 

坂のある部屋

坂のある部屋

 

この部屋は、100フィートほどの縦長になっていて、床が坂のようになっている。

部屋自体の幅は、あまりないが、通路というには広く、通路ではなく部屋という表現が合う。

坂は、手前から奥に向かって、均一に徐々に高くなっているが、一番奥の方だけ、坂が急になっている。階段などはなく、坂道だ。坂を上ったあとは、小さな広場があるようだ。

イメージとしては、緩やかな坂道が、最後だけ石段で上がるような角度で高くなっているような感じだろうか?

床は、均一で、滑らかだ。もうすこし急なら、滑り台のような感じで遊べそうだ。

また、上から油でも流されたら、滑り落ちそうだ。

実際、坂の上の小さな広場には、大量の液体を一気に流す鍋のようなものがあり、傾けると、大量の液体が一気に下へ流れ落ちる。

液体は、油(よく滑る油、引火に気を付けないとやばそうな油、最初から火がついた油)、水(ただの水、泥水、塩水、湯など)、酸(服だけを溶かすえっちな酸、装備品が破壊されたり、プレイヤーにダメージが入るような酸)、粘液(いわゆる、ヌルヌルだったり、ベトベトだったり)色々あるだろう。

坂の上に、敵対するモンスターがいて、これらを使える知恵があるなら、プレイヤーを苦しめることになるだろう。

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おれたちゴブリン。頭は悪いほうだ。

坂を上って迫ってくるニンゲンどもの足元に油を流したところ、やつら、坂の下の方へ滑り落ちていくのが見える。俺らの策にハマった。爽快だ。

「ふははははは! イケぃ野郎ども! ニンゲンどもを滅ぼすのだ!」

調子にのった、おれたちゴブリンは、気勢をあげて、追撃をかける。ニンゲンどもの倍の数いるのだ。余裕で勝てる。戦いは数だよ。数。

「ヒャッハー!! GIIIIIYYYYYAAAAA!!!!」

坂道を、スキーやスケートの選手のように、かっこよく滑り降りるイメージだったんだが、現実は厳しい。

俺らは、全員、派手に転んだ。もがいても起き上がれないまま、ニンゲンどもに向かって滑り落ちていく。

うっはー、みっともねー。しかたねぇ。このまま、刃物をやつらに向けて突撃だー!

と、思ってたんだけど。俺はケツから、あいつらの顔面に突っ込んだ・・・。

・・・仕切り直しだ。ケツがいてぇ。痔になりそうだ。

足元が、滑るけど、向こうも条件は同じ。やってやるぜ!!!

 

 

 

 

 

 

牢屋部屋

牢屋部屋

ここは、牢屋の様だ。いくつも同じような扉が並んでる。

そのうち、いくつかから、声が聞こえる。

「助けてくれー」

「お願いだ。出してくれー」

「俺は無実だ―」

壊れたスピーカーのように、同じことを繰り返している。

扉が、ガチャガチャ音を立てるようなこともない。

ただ、声だけが繰り返し聞こえる。

 

残念だが、声の主は、もう生きてはいない。

無念が、声だけを繰り返させている。

クレリックの正しい祈りによって、これらの声の主は昇天できるだろう。

そして、静寂が訪れる。

恨みの念がこもった指輪を残して。

この呪われた指輪は、脱獄防止を兼ねて罪人を弱らせるためにつけられる。ウィークネスの呪いがかかった指輪(この指輪を装備させられると、STR値が最低値となる。)だ。自力では外すことはできない。

もし、これを装備した場合は、リムーブカースの呪文ではずすことができる。

冒険者は、これを遺品として持ち帰るのが任務かもしれない。

もしくは、廃墟を探索していて偶然見つけるのかもしれない。