TRPG 短話集

TRPGでのシチュエーション(主にダンジョン)を色々書いてます。

6分の1

おれ、ゴブリン。

森の中で冒険者どもに襲撃されて、逃走中だ。

ちょうど、天然の洞窟らしい入口を見つけたので、逃げ込んだは良いんだが。

途中で何度か枝分かれしていたので、適当にいくつか潜り抜けたんだが。

洞窟の中で迷った。

出口はどこだ?

戻ろうとしたら、枝分かれしてて、出口が分からん。

洞窟の中で迷子とか、モンスターと出会わなくても、このままだと死んじまうよ。

かなーり、焦りながら、洞窟をさまよう。

 

おれは、運がいいようだ。

今のところ、モンスターらしいものには会わない。

 

あれ? ここ、さっき来たところじゃねぇ?

 

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GM用の説明)

ここは、天然の洞窟。

途中で6本の枝分かれした小さな広場のような場所があり、そのうち1本が出口に繋がっている。

残り5本は、ループするような形で、枝分かれしたこの場所に戻ってきてしまう。

偶然にも、どの道に続く入口も、ほとんど同じで、特徴がないため、どの道を選んだか分かりにくい。

印でもつければ別なのだろうけれど。

出られる確率は6分の1。

頑張れ、ゴブリン。

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12体のゴーレム

12体のゴーレム

 

このゴーレムは、一見、壁一面にある、レリーフにみえる。

12体いるので、12星座っぽかったりする。

1体、1体が壁に埋め込まれていて、それぞれが魔法を撃つ。

ただし、AIなんてものはないので、あらかじめ決められたところへ、祭壇に用意されたスイッチを押すことで、一斉に12体のゴーレムが魔法を放つ。2ターン連続で。

 

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祭壇に、敵のボスがいる。

「よく来たな、冒険者どもよ。だが、私はこんなところで死ぬわけにはいかない。」

ボスの魔法使いは、祭壇のどくろマークのスイッチを、「ポチッとな」と、押した。

 12体のゴーレムが一斉に魔法を撃つ。

1体目は、冒険者へ「サイレンス」を

2体目は、冒険者へ「スリープ」を、

3体目は、冒険者へ「蜘蛛の糸(ウェブ)」を、

4体目は、冒険者へ「ホールドパーソン」を、

5体目は、冒険者へ「スロー(へ―ストの逆呪文)」を、

6体目は、冒険者へ「ディスペルマジック」を、

7体目は、冒険者へ「コンティニュアルダークネス(コンティニュアルライトの逆呪文)」を、

8体目は、冒険者へ「コンフュージョン」を、

9体目は、スイッチを押したボスへ「ミラーイメージ」を、ボスを分身させる。

10体目は、スイッチを押した祭壇の下に「パスウォール」を、床下に脱出するための穴を、垂直に開ける。(冒険者に見えない位置に)

残る2体(11体目と12体目)は、左右の壁沿いにあり、正面に「ライトニング」を撃ち、壁沿いに接近してくるかもしれない、敵の冒険者からの不意打ちをけん制する。

 

一斉の魔法により、冒険者はST判定を強いられる。

無理やり作られた混乱の中、多分、冒険者のパーティうち、何名かは戦闘不能になるだろう。

そして、ボスの魔法使いは、どのような結果になろうと(たとえ、冒険者パーティが全員戦闘不能となっても)、迷いなく次のターンには、10体目のゴーレムが開けた穴を使って逃げる。

 

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GM用の説明)

ゴーレムが垂直に開けた穴から続く脱出通路には、先に、「非常口」と書かれた扉があり、魔法使いは、鍵をかけて、脱出のための時間をかせいだりするだろう。

「非常口」 には、脱出用の「魔法の箒(スピードレーサー)」「インビジブルマント」「ホールディングバッグ(金や財宝、テントや食料などの各種資材が入ってる)」が用意してあり、魔法使いは、冒険者に見つからないように、脱出を試みる。

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そして、厄介なことに、ゴーレムは2ターン連続で魔法を撃つのだ。

混乱は続く。

ボスは、逃げるけど。

 

そう、今回、敵の魔法使いは逃げた。この先の未来にあるだろう、本当の決着の時のために。

敵の魔法使いは、ゴーレムが魔法で開けた穴から脱出し、魔法の箒に乗って、冒険者の視線から隠れるように猛スピードで離れていく。

「あのまま、戦っても、勝てぬからな。」

魔法使いは、一人つぶやいて、再起と復讐を誓った。まだ、ホールディングバックには、しばらくは遊んで暮らせるくらいの金と財宝と、飢えをしのげるだけの物資があるのだ。

「ほとぼりが冷めるまで、しばらくバカンスだ。」

あらためて、インビジブルマントを被ると、魔法の箒ごと視界から消えたように見える。

注意深く、戦闘を回避しながら、逃避行を始めた。

 

 

 

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このゴーレムが放つ魔法は、使い切りで、2連続撃つと、もう打ち止め。

魔法をチャージしないと、ただの、像と変わらない。チャージできれば使えるのだけど。

2体を除いて。

実は、「ライトニング」の魔法は、マジックワンドを使っている。

逃げた後、像を調べたなら、冒険者に2本のマジックワンドが手に入るだろう。(残りのチャージ数は、GM次第) 

 

レリーフに隠し扉があり、その奥に宝箱がある。魔法使いの隠し財産だ。

魔法使いが逃げてモヤモヤするが、それも、またキャンペーンの醍醐味ということで。

黒い石碑のメッセージ

黒い石碑のメッセージ

この部屋の真ん中に、黒い石碑がある。

大柄な人の背丈ほどあり、きれいな長方形をしている。

厚みは2フィートくらい。

どの面も綺麗に磨かれていて、顔が映るくらいだ。

この石碑の正面は、装飾と文章が彫られている。

古めかしい言い回しだが、言葉が読めるなら、理解できるだろう。

どうも、

このダンジョンは、人造であること。

クリーチャーの実験を行っていること。

クリーチャーは、このダンジョンからは出られないこと。

このダンジョンでは、瀕死の重傷を負った場合、この部屋へ転送されること。

この部屋の中では、HPが徐々に回復する魔法がかかっていること。

ということが分かった。

 

忠告者

忠告者

この部屋の中の奥の壁は、白い霧が滝のように流れ落ちている。

ドライアイスの煙が上から下へ流れているイメージだ。

その白いスクリーンに、禍々しい女の顔が映る

髪には冠、耳にはイヤリングがある。

そして、彼女は告げる。

「罪深き侵入者よ、これより先に進んではならぬ。」

「これより先は、呪われた地。封印を解いてはならぬ。」

「呪いは、罪深きものに降りかかるだろう。」

「これより先に進んではならぬ。呪いの怒りに触れる前に。」

そして、女の顔が消えるととともに、ドライアイスの煙も消える。

奥の壁には、壁に偽装した隠し扉があるようだ。

まさか、この扉をどうかしただけで、呪われるなんてことはないよね?

俺たちは、前に進むことにした。

隠し扉

隠し扉

この隠し扉は、T字路の突き当りの壁にある。

壁に見えるが、実はその壁は幻だ。

壁をうっかり触ると、その幻は消え、扉が現れる。

その扉は、一度開閉すると、また、幻に隠される。

注意深いものなら、なにかオカシイと感じるだろうが、害はない。

スルーしても構わないだろう。

眠りの部屋

眠りの部屋

この部屋には、正方形の四角い部屋だ。

奥に床が一段高くなっていて、その中央に胸像がある。

胸像は、その像を見る人によって、その姿が変わる。

不思議な像だ。

同じ場所に居合わせていても、それぞれ映す姿が変わる。

校長先生だったり、領主だったり、偉大なご先祖だったり、バラバラだ。

神様かもしれないし、悪魔かもしれない。

ただ、いえることは、パーティ全員が部屋に入り、誰かが、その不思議な像に触れたときに起きる。

入口の扉が、突然、ガチャリとロックされる。

その大きな音に、パーティは振り向くだろう。閉じ込められたと!

扉を調べて、鍵を開ける時間は、おそらくないだろう。

そのうち誰かが気付くだろうから。

扉がロックされた時から、像の目が怪しく光りだしたことに。

怪しい光はどんどん強くなり、ひと際明るくビカー!! と光った、その時、ある魔法が発動する。

レベル1魔法「スリープ」

抵抗できない場合や、ST判定に失敗した場合は、眠りに落ちる。

その眠りの効果が切れるまで、扉のロックは続く。

誰も、外からは入られない。

安心して眠るがいい。

 

 

酒場の噂

酒場の噂

酒場と言っても、居酒屋という風情ではなく。

せいぜい、エールと、つまみに干し肉と、ナッツが出るくらいの店。

ショボい酒場だ、なんて言わないでくれよ? 

この辺じゃ、酒場なんて、どこもそんなもんさ。

この店は、4~5人が座れるカウンターに、4~5人が座れる丸テーブルが3つある。

ほどほどの広さだ。

もっと大きい店だと、さらに個室があるらしいが、この店にはないようだ。

この店は、マスター1人、女給が2人で回してる。

今日も、1日の疲れを癒しに、おっさんどもが酒杯を片手に、勢いよく飲んでる。

グビッ グビッ って音まで聞こえそうな勢いだ。

さて、いつものカウンターの席に座り、マスターにいつものを頼み。

聞き耳をたてるといたしますか・・・・

 

小さい店だと、カウンターしかないらしい。家賃は安いだろうが、客の入りはどうなんだろうね?

まぁ、その場合は、マスター1人、カウンター席10人くらいかね?