TRPG 短話集

TRPGでのシチュエーション(主にダンジョン)を色々書いてます。

低い天井の部屋

低い天井の部屋

 

この部屋の天井は、5フィートくらいしかない。

部屋の中は、湿気ってて、じめじめしてる。

目立つのは謎の雑草が4フィートくらいの高さでうっそうとした様子で生えている。

ここだけ、まるでジャングルだ。

ひょっとしたら、この中は、緑の迷路みたいになっているのかもしれない。

 

小柄なゴブリンやハーフリングでも、高さが低いなと感じるだろうが、行動にマイナス修正をくらうことはないだろう。

ドワーフもまぁ、なんとか大丈夫だろう。

でも、ニンゲンや、エルフには、ちと、狭いようだ。

かがまないと、歩けない。

このフロアを走るのは、体を折り曲げないと無理だろう。

 

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おれ、ゴブリン。あたまは悪いほうだ。

ニンゲンどもよ無理に探索することはない。

迂回したまえ。

どうしても、来るというなら、この中を無事に通る方法を見つかるまではやめた方がいい。

この雑草だらけの中には、さまざまな罠が設置してある。

・毒沼(触れると毒ダメージ、なお、ガラス瓶などで保存して持ち出しても、しばらくすると毒の効果はなくなる)

・アンデット(地縛霊のように行動範囲が制限されているアンデットモンスター)

・即死トラップ(堕ちたら串刺しのような落とし穴、猛毒の矢、のぞき込むとギロチンが作動する横穴)

・生命力を吸収する壺(持ち運べるだろうが、周囲のプレイヤーの生命力は吸われ続ける)

 

俺らにとって運が悪いと、この部屋に隠されている通路が見つけられるかもしれない。

通路のこの先は、この先のずっと遠くにあるゴブリンの隠れ里に続いている道の一つなのだ。

だが、こちらとしては、無理に事を構えて、この先に何かがあると気づかせたくはない。

里にニンゲンを呼び寄せるようなリスクを負う必要はないのだ。

なので、里へ続く道の途中にある跳ね橋を上げておくだけだ。

通路の途中の鋼鉄製の跳ね橋は、巻き上げたうえで、人が通れそうな隙間もなく完全に閉じ、閂をかけて、人気もない。

見張りが息をひそめて、ノゾキ穴から様子を伺っているだけだ。

物理的に破壊するには、超人的な力が必要だろう。

ニンゲンどもも、渡る手段がなければあきらめるだろう。

 

もし、来たら?

その時は、この跳ね橋が壊されると、周囲が落盤により崩落する。

この跳ね橋の構造物は、この通路を支えていたのだ。

隠れ里に続く道は塞がれるだろう。

また、運よく落盤から助かったとしても、安心はさせない。

ここに配置された精鋭のゴブリン30~50が全力で迎え撃つだろう。