地下の川岸
地下の川岸
ふと、意識が戻った。
どれほど、寝てたんだろう?
ぼうっと、した頭で、ぼんやり考える。
おはようございます。ゴブリンです。
ニンゲンに追われて、地下の川に落ちて、流されました。
ようやく、岸に上がって、そこで寝落ちしたみたいです。
ハッとして、周囲を警戒して、周りの様子をうかがう。
他に気配はないみたいだ。目の前の川の水が流れる音しかしない。
うん、危なかったね。
周囲のモンスターによく食われなかったな。
服? を着ながら、あらためて周りを見てみる。
ゴブリンって便利だね。明りがなくても、周りの様子が分かる。
この場所は、緩やかな下り坂となった河原が目の前の川に繋がってる。
水汲みが容易にできそうだ。
以外に広い。家が3軒くらい建てれそうなくらいの広さだ。
他に繋がる道らしいものはないか探してみる。
もう一度、この冷たい水の中に入るのは、ちょっと躊躇われるからだ。
すこし探すとあった。
洞窟みたいなものを発見した。
かがんで、くぐれそうな感じだ。
この道が、どこまで続いているか分からないけれど。
このまま、ここで野垂れ死にするよりはマシだ。
意を決して、奥に進むことにした。
水筒なんて洒落たものはないから、飲めるだけ水を飲んだ。
がんばれ、俺。
目指すは、地上だ。